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請求書カード払いとは?仕組みからメリット・デメリットを詳しく解説

請求書カード払いは、企業間取引における新しい決済手段として注目を集めています。この記事では、請求書カード払いの基本的な仕組みから実際の利用方法まで、経理担当者や経営者が知っておくべき情報を徹底解説します。従来の請求書払いやクレジットカード決済と何が違うのか、なぜ今ビジネスシーンで導入が進んでいるのかが分かります。三菱UFJファクターやSMBCファイナンスサービスなど、主要な金融機関が提供するサービスの特徴や手数料体系も比較しながら、自社に最適な選択肢を見つけるためのポイントを解説。支払サイトの改善やキャッシュフロー管理の効率化を目指す企業の意思決定に役立つ情報を網羅的にまとめています。

請求書カード払いの基本

請求書カード払いは、企業間取引(BtoB取引)における新しい決済手法として注目を集めています。従来の請求書払いとクレジットカード決済の利点を組み合わせた支払い方法で、支払企業はカード決済で支払い、請求企業は通常の振込として入金を受けられるシステムです。

請求書カード払いの仕組み

請求書カード払いは、次のような流れで処理が行われます。

ステップ内容
1. 取引発生請求企業から支払企業への商品・サービス提供
2. 請求書発行請求企業が支払企業に請求書を発行
3. カード決済支払企業が請求書に基づきカード決済を実行
4. 入金処理請求企業の口座に振込として入金

このシステムの中核となるのは、決済代行会社による与信と支払い保証です。三菱UFJニコスやジェーシービー(JCB)などの大手カード会社も、このサービスを提供しています。

支払側と請求側の違い

請求書カード払いでは、支払企業と請求企業で異なる特徴があります。

支払企業側では:

  • 既存の法人カードを利用可能
  • 最大60日程度の支払い猶予が得られる
  • キャッシュフロー改善に貢献
  • 経理処理の効率化が実現

請求企業側では:

  • 通常の銀行振込として入金を受けられる
  • 支払期日が明確で確実な入金
  • 与信管理の負担軽減
  • 売掛金管理の簡素化

両者の関係において、決済代行会社が間に入ることで、支払いの確実性と利便性が担保される点が特徴的です。これにより、従来の請求書払いで発生していた未払いリスクや支払い遅延のリスクが大幅に軽減されます。

サービスの特徴と利用条件

請求書カード払いは、企業間取引における新しい決済手段として注目を集めています。ここでは、サービスを利用する際の具体的な特徴と条件について詳しく解説します。

対象となる事業者

請求書カード払いを利用できる事業者には一定の条件があります。基本的な利用条件として、法人登記から1年以上経過していること、直近の決算が債務超過でないことが求められます

項目要件
企業形態法人(株式会社・有限会社・合同会社など)
事業年数1年以上
財務状況債務超過でないこと
業種制限風営法対象業種は原則不可

手数料・支払い期間

手数料は通常、取引金額に対して1.5%から3.5%程度が一般的です。支払い期間は最短即日から最長120日まで、サービス提供会社によって異なります

支払期間が長くなるほど手数料率は上昇する傾向にあります。例えば30日以内の支払いであれば2%前後、60日以内で2.5%前後、90日以内で3%前後となることが多いです。

主要サービスの比較

サービス名与信枠最長支払期間手数料率
Paid(ペイド)最大1億円120日1.5%〜
Paidy for Business最大5000万円60日2.0%〜
会社コンシェル最大3000万円90日2.5%〜

各サービスには独自の特徴があり、与信審査の速さ、利用可能額、支払期間の柔軟性などが選択の重要なポイントとなります。審査にかかる時間は最短で数時間から、通常は2〜3営業日程度です。

また、請求書カード払いサービスの多くは、オンライン上で申し込みから審査、利用までの手続きが完結する点も特徴です。導入時の手間を最小限に抑えられることから、中小企業を中心に導入が進んでいます。

他の決済方法との違い

請求書カード払いは、従来の決済方法と比較して独自の特徴を持っています。ここでは、主要な決済方法との違いを詳しく解説します。

請求書払いとの比較

従来の請求書払いと請求書カード払いには、明確な違いがあります。

比較項目従来の請求書払い請求書カード払い
支払い期間通常30〜60日最大120日まで延長可能
支払い手段銀行振込が主体クレジットカード決済
与信管理請求企業が実施カード会社が代行

最大の違いは、請求書カード払いでは請求企業が即時に入金を受けられる点です。これにより、キャッシュフローの改善が期待できます。

BtoBクレジットカード決済との比較

BtoBクレジットカード決済も法人間取引で利用されますが、請求書カード払いとは異なる特徴があります。

BtoBクレジットカード決済では事前に与信枠の設定が必要ですが、請求書カード払いは取引ごとに柔軟な与信判断が可能です。

特徴BtoBカード決済請求書カード払い
利用限度額固定的な与信枠取引ごとに判断
導入コスト決済端末が必要システム連携のみ
取引形態対面・非対面両方主に非対面取引

ファクタリングとの比較

ファクタリングは売掛債権を買い取る金融サービスですが、請求書カード払いとは運用方法が異なります。

ファクタリングは債権譲渡の手続きが必要となりますが、請求書カード払いではそのような煩雑な手続きは不要です。

項目ファクタリング請求書カード払い
手続き債権譲渡登記が必要通常の決済として処理
コスト買取手数料が発生カード決済手数料のみ
即時性審査に時間がかかる迅速な与信判断

支払企業側にとっては、請求書カード払いのほうが通常の支払い業務の延長として運用できる点が大きな利点となります。

メリット・デメリット分析

支払側のメリット

請求書カード払いは、企業の資金繰りに大きなメリットをもたらします。主な利点として、最大60日間の支払い猶予が得られるため、運転資金の効率的な運用が可能となります。

具体的なメリットを以下の表にまとめました:

メリット項目詳細説明
キャッシュフローの改善支払いサイトの延長により、資金効率が向上
事務作業の効率化支払い業務の自動化・システム化が実現
経費管理の簡素化デジタル領収書の一元管理が可能

請求側のメリット

売掛金の早期現金化が最大のメリットです。通常の請求書払いでは入金まで30日から60日かかることが一般的ですが、請求書カード払いを利用することで、最短即日での入金が可能となります。

その他の主要なメリットには以下があります:

  • 与信管理業務の軽減
  • 未払いリスクの軽減
  • 請求書発行・管理の効率化
  • 取引先との関係強化

考慮すべきデメリット

一方で、以下のようなデメリットも存在します:

立場主なデメリット
支払側手数料負担(通常1-3%)、与信枠の消費
請求側手数料発生、導入時の契約手続き

事業規模や取引量に応じて、メリット・デメリットを総合的に判断する必要があります。特に、以下の点について慎重な検討が求められます:

  • 月間取引額と手数料の費用対効果
  • 導入に伴うシステム変更コスト
  • 既存の取引先との契約条件の見直し
  • 社内の経理フローの変更必要性

また、業界特性や取引規模によっては、従来の支払方法の方が有利なケースもあることを考慮に入れる必要があります。特に、取引金額が少額の場合や、取引頻度が低い場合は、導入メリットが限定的となる可能性があります。

まとめ

請求書カード払いは、企業間取引における新しい決済手段として注目を集めています。支払企業側には最大60日の支払い猶予と手元資金の確保、請求企業側には即時入金による資金繰り改善というメリットがあります。従来の請求書払いやファクタリングと比較して、審査のスピードが速く、手数料も比較的低めに設定されている点が特徴です。今後のキャッシュレス化の進展に伴い、特に中小企業のBtoB取引において、ますます重要な決済手段となることが予想されます。